スリ、置き引き、強盗など
日本人が海外で遭う犯罪被害のほとんどがこの窃盗関連です。プロの泥棒は鵜の目鷹の目で獲物を探していて、獲物のちょっとしたスキも見逃さないことを肝に銘じておいてください。その手口の鮮やかさは見事と言うほかないほどのものです。盗まれないようにするのももちろんですが、最悪盗まれてしまった場合に備えて、貴重品(特にパスポート)は体から離れるものの中には絶対に入れないなどの対応策も非常に重要です。
スリについて
- ・一番多いのはヨーロッパ。特にパリ、ローマは悪名高いです。中でも地下鉄とバスは特に注意が必要です。
- ・スリがみすぼらしい服装をしているとは思わないこと。プロなら相手を警戒させないためにむしろ紳士淑女の出で立ちであることが多いです。
- ・ポケットに財布を無造作に入れないこと。
- ・かばん等は肩からたすき掛けにして抱え、車道側には持たないこと。バイク等によるひったくりは身体に危害が及ぶ可能性も高いです。
置き引き
- ・最も発生しやすいのがレストランでの食事、空港でのチェックイン、ホテルのチェックインなどです。ほんの一瞬、荷物から目を離した隙に持っていかれてしまいます。プロはまさにその一瞬を待っています。
- ・常に荷物に気を配り、何か記入する時などは荷物を足の間に挟むなどの対応で大半を防ぐことができます。
- ・複数人で役割分担して、一人がターゲットに質問などをして気をそらせておいて実行役が奪い去っていくという連携プレーが主流です
強盗
- ・まず、人気のない場所へ立ち入らない、夜は外出を控える、複数人で行動するなどの予防策が何より有効です。
- ・自分の五感を大切にし、ヤバイと思ったらすぐに立ち去りましょう。
- ・それでも被害に遭ってしまった時は身の安全を第一に考え、犯人の指示に素直に従うしかありません。抵抗したり大声を出すなどして犯人を刺激すると、命に危険が及びます。
言葉が通じないことによるトラブル
現地の言葉や英語が理解できないのはどうしようもありません。日本人に散見されるのは分からないにもかかわらず、なんとなく「ウンウン」と返事をしてしまうケースです。これは場合によっては非常に大きなトラブルとなる可能性がありますので絶対にやめましょう。
特に入国審査などでこれをやってしまうと、取り返しの付かないことになりかねません。もしかしたら審査官は「あなたは伝染病にかかっていますか?」と聞いているのかもしれませんよ!
また物売りやしつこい勧誘なども、へたに返事をしてしまうとこちらの責任になってしまい、相手の思うツボにはまってしまいます。
英語の通じる国ばかりとは限りません。現地語の会話集は非常に有効なコミュニケーションツールです。シチュエーションに応じた用例が網羅されていますので、多くの旅行シーンで活躍します。特に中南米、旧ソ連の国々などでは英語はほとんど役に立ちませんので、それぞれスペイン語、ロシア語の会話集が必携です。
金銭にまつわるトラブル(クレジットカードなど)
※写真はイメージです
海外旅行に持っていくお金は、現金、トラベラーズチェック、それからクレジットカードの3つが一般的です。どれも利点がありますので、この3つを上手く使いこなすことが賢い旅行の第一歩です。ただしトラブル対処法はそれぞれ異なりますので把握しておきましょう。
現金
- ・一番狙われやすいのがもちろん現金です。一般的に日本人は現金を多く利用すると言われており、狙われる理由の一つとなっています。悪いことではありませんが、防犯上は好ましくありません。
- ・あまり多額の現金を財布に入れるのは控え、高額の買い物にはクレジットカードを利用するようにしましょう。
- ・財布の出し入れ、支払い時には中の現金が見えないように細心の注意を払ってください。泥棒に遭わなくても海外ではおつりがないことが多いので、店員に財布の中を覗かれて「そっちをよこせ」などと注文をつけられることもあります。
トラベラーズチェック
紛失しても再発行ができるので一番安全度が高いのがトラベラーズチェックです。 アメリカでは現金同様に受け取ってくれる店も多くあり、非常に便利です。
- ・購入したらすぐに一枚一枚すべてにサインをしてください。このサインがないと再発行の対象になりません。
- ・サインは真似のしにくい漢字がベストですが、パスポートのサインと同一である必要があります。
- ・チェックの発行控えはチェックとは別々に保管してください。まとめて盗まれたら意味がありません。
- ・使用の都度、使用した券番を控えておくことが必要です。紛失した時に何番のチェックを失くしたのか明確にするためです。
- ・旅行中は再発行手続き(紛失届け)用の現地の電話番号を常に控えておいてください。
クレジットカード
- ・カードを使ってサインをするということは、現金で支払いを行うのと同じであることを再確認し、金額の間違いがないか入念にチェックしてください。特に単位、小数点、通貨などに注意が必要です。
- ・カードの機械読み取りは自分の目の前でやってもらう事が大事です。「機械が壊れた」などと言って、奥の見えないところでカードを操作しようとする場合は拒否してください。犯罪を誘発します。
- ・カード控えは必ず大切に保存してください。万一不正使用された場合でも、控えがなければ泣き寝入りするしかありません。
- ・巧妙な手口でカード情報を読み取るスキミングの被害が多発しています。いつの間にか暗証番号まで盗まれて、身に覚えのない多額の請求が来ることになります。暗証番号を押すときは、左手で指先を隠すくらいの注意が必要です。
- ・紛失した場合は一刻も早く届け出ることが大事ですので、カード会社の現地の連絡先を控えておきましょう。日本へのコレクトコールも受け付けている会社が多いです。